ここから本文です

いまさら聞けない...まごころ完結葬で学ぼう葬儀と法要の知識 葬儀、終活など様々な場面での解決策やマナーについて、知っておくべき情報をお届けします。

葬儀後2021年11月21日

喪中でも神社にお参りできる?忌中との違いや控えるべきことを解説

画像

喪中の期間は、マナーとして避けるべき行動が幾つかあります。特に、死を穢れと考える神道ではその傾向が顕著です。では、喪中の間に正月の初詣や七五三詣などで神社にお参りする用事があったらどうすればよいのでしょうか。本記事では神社の参拝に大切な、喪中のマナーを解説します。

1. 喪中に神社へお参りはできる?

「喪中」とは、亡くなった親族を悼み喪に服す期間のこと。先祖の供養や孝行を重視する儒教の教えが根底にあり、厳密にいえば神道の「忌中」の考え方と異なります。喪中が悲しみから立ち直る期間であるのに対し、忌中は死の穢れを払うための期間とされます。
つまり、忌中が明けていたら、喪中でも神社への参拝は可能になります。
ただし、お参りを避けるべきケースもあります。また喪中・忌中に避けるべき事柄もあるので、ひとつずつ解説します。

1-1. 【忌中の場合】神社へのお参りは避けるべき

喪中とは異なり、忌中では神社へのお参りは避けたほうがよいでしょう。
喪中と忌中の概念の違いは上で述べたとおりで、期間も期間も、喪中は1年間、忌中は(神道の場合)50日または49日と異なります。
神道において忌中にある人は死の穢れをそそげていない状態であると考えられているので、神社への参拝は禁忌とされます。家庭内の神棚へのお参りも避けるようにします。

忌中に神社参拝を行ってしまった場合
忌中の参拝がタブーだと知らずに、神社にお参りしてしまうこともあるでしょう。境内に入ってしまった事実は消せないので、その場合はどうすることもできません。忌中が明けてから、改めて謝罪のお参りをするようにしましょう。
どうしても気持ちがモヤモヤする場合は神職さんに打ち明けて、指示を仰ぐのも方法です。もっとも、昔ほど慣習やしきたりに厳格な時代ではないので、処罰を受けることはまず考えられません。

●どうしても忌中に神社に参拝したい場合
忌中にやむおえず参拝しないといけない事情がある場合は、事前に神職さんに相談しましょう。神社によっては、お祓いを受けることで鳥居をくぐることを許可してもらえます。ただし、神社によって考え方がことなるため、まずは確認の連絡を取りましょう。
なお、「鳥居をくぐらなければ、忌中に参拝してもよい」という解釈は誤りです。この場合の「鳥居をくぐる」は参拝の比喩表現として用いられていて、実際に「くぐる・くぐらない」を意味していません。「鳥居をくぐって境内に入る」は参拝の正式な手順のひとつなので、仮に鳥居を避けたとしてもお参りしたことにはならないのです。

2. 【神社へのお参り】喪中・忌中に控えたほうがよいこと

神社への参拝といっても、その目的や内容はさまざまです。また、目的によっては、神社まで足を運ばなくても達成できる事柄もあります。
ここでは、喪中・忌中の期間内に控えたほうがよいのか悩みやすい事柄について解説します。

【神社】喪中・忌中に控えるべきこと・控えなくてもよいこと

        喪中 忌中
おみくじの購入   ×
厄払い       ×
お守りの購入    ×
お守りの処分    

●おみくじの購入
忌中を過ぎていれば、喪中でもおみくじを引くことは可能です。忌中はそもそも境内に入ることが禁忌とされているので、おみくじを引くことはできません。
どうしてもおみくじを引きたいという場合は、お寺に行きましょう。死を穢れと捉える神道の考え方は、仏教にはありません。だから忌中であっても初詣をすることが可能です。

厄払い
厄年の際、神社で厄払いをしてもらう人もいるでしょう。その厄払いのタイミングが喪中・忌中に重なった場合はどうすればよいのでしょうか。
喪中の場合は、神社で厄払いをしてもらうことに問題はありません。一方で忌中の場合は、境内への立ち入りがタブーになっているので厄払いを受けるのは困難です。忌中の期間は長くても50日なので、忌明けを迎えてから受けに行きましょう。
特別な事情などで厄払いを受けたいタイミングと忌中が重なっている場合は、お寺で厄除けしてもらうことも方法です。

お守りの購入
こちらも忌中を過ぎていれば、喪中であってもお守りを購入しに行くことができます。忌中の場合は神社に立ち入ることができないので、期間を終えてから買いに行きましょう。
破魔矢など、一定期間しか取り扱っていないものに関しては、神社に連絡を入れて事情を説明すれば、取り置いてもらえる可能性があります。
また、神社によっては郵送で購入することもできます。例えば出雲大社では、「縁結び」や「合格祈願」などの希望を伝えると、それに見合ったお守りやお札を郵送してもらえます。送料のぶん値段は高くなりますが、どうしても入手したい場合は利用してみてはいかがでしょうか。

お守りの処分
古くなったお守りやお札、破魔矢などは、神社で処分してもらいます。これをお焚き上げといいます。感謝の気持ちを込めて燃やし、神様にお返しするのです。
喪中の場合は自分で神社に足を運び、お焚き上げしてもらうことが可能です。忌中の場合は、主に3つの方法があります。
ひとつ目は、忌明けを待ってから神社に行く方法。最も確実な手段といえます。
ふたつ目は、知人に依頼する方法です。家族親族は同じく忌中に入っているので、血縁関係のない人に代理でお願いします。
みっつ目は、郵送で行う方法です。こちらもすべての神社が対応しているわけではないので、事前に確認または許可を取っておきましょう。

3. 【お参り以外(日常生活)】喪中・忌中に控えたほうがよいこと

喪中や忌中には、神社へのお参り以外にも控えたほうがよいことがあります。基本的には「お祝い事を避ける」と考えてOKです。しかし、実際は判断に悩むことも多いかと思います。
そこでここでは喪中・忌中に控えておきたい事柄の中から、特に判断に迷いがちなものを紹介します。

【日常生活】喪中・忌中に控えるべきこと・控えなくてもよいこと

        喪中 忌中
年賀状の送付  ×      ×
正月飾りの設置 ×      ×
結婚式への参加       ×
イベントの参加       


年賀状の送付
忌中・喪中いずれも、年賀状のやりとりは避けることが慣例です。年賀状のやりとりができないことを伝えるために、12月中旬までに喪中はがきを出します。「誰の喪中か」「喪中で年賀状の送付を控えること」を忘れずに書いておきましょう。
喪中はがきを相手が見落としたり、こちらが送付を忘れたりして、年賀状が送られてくることもあります。その際は届いた年賀状をありがたく頂戴し、寒中見舞いとして返信します。その中で、喪中の知らせを怠った非礼をお詫びしましょう。

正月飾りの設置
正月飾りは新年をお祝いするものなので、喪中・忌中のどちらの期間中も避けるようにします。
ただし、鏡餅に関しては、忌中を終えた場合に限り、例外的に飾ってもよいとされます。というのも、鏡餅には福をもたらす神様へのお供え物という意味があるからです。単なるお祝いの飾りではないため、喪中でも問題ないとされるのです。

結婚式への参加
身内に不幸があった場合は、忌明けまで式を延期することが一般的です。もっとも、会場や料理の手配など、準備がかなり進んでいるようなら、両家で話し合って開催することもあります。また、「結婚式を故人がとても楽しみにしていた」という理由から予定通り挙式することも珍しくありません。
身内以外の結婚式に招待された場合は、忌中はもちろん喪中でも辞退するのがマナーです。先方に事情を説明し、欠席の旨を伝えます。どうしても出席したいときは先方に相談し、新郎新婦やそのご家族からの理解を得るようにします。

イベントへの参加
クリスマスやひな祭り、入学式、運動会といったイベントへの参加は、喪中・忌中に関わらず参加しても大丈夫です。クリスマスはそもそも神道や仏教にない行事ですし、ひな祭りなど端午の節句も起源は神仏との関連は薄いとされます。入学式、運動会も同様です。ただし、あまり派手に盛り上がらず、良識の範囲内でイベントを催すようにしましょう。
仕事や趣味の集まりなどのイベントにおいても、必ずしも控えるべきものはありません。ただし、喪中・忌中は大切な方との別れの悲しみがまだ癒えていないことも考えられるので、無理に参加する必要もありません。
なお、七五三に関しては、忌中に神社にお参りに行くことはNGとされます。写真撮影や自宅でのお祝いは問題ありません。

まとめ

今回は喪中の期間における神社のお参りについて解説しました。その中で、喪中と忌中の違いや、神道と仏教それぞれでの考え方の違いもご理解いただけたと思います。
神社もお寺も、宗教的に極めて神聖な空間です。その中で失礼のないようにするためにも、喪中・忌中のマナーはしっかりと身につけておきましょう。
資料請求無料 まごころ完結葬についてもっとよくわかる一冊
お問い合わせ24時間受付中 TEL:0120-211-200

一覧へ戻る