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葬儀後2021年11月21日

喪中における正月の過ごし方のマナー|初詣は行える?

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「喪中」は故人に哀悼の気持ちを表す期間であるため、お祝い事を避けるのが一般的です。では、正月やクリスマスは、どのように過ごすのが望ましいのでしょうか。ここでは喪中における年末年始の過ごし方を紹介します。

1. 喪中における正月・年末年始の過ごし方

「喪中」とは、亡くなった親族を悼み喪に服す期間のこと。死者に哀悼の意を表すため、昔は喪服を着用して暮らすことが慣例でした。また、明治時代までは、服忌(喪に服す期間)を定めた「服忌令」という法令もありました。
喪中が生まれた背景には、先祖崇拝や先祖供養を説いた儒教の思想があります。そこに仏教や神道の「忌中」の概念が加わり、慶事は避けるという現在の習慣が固まりました。
特に、お祝い事が重なる年末年始では、過ごし方に注意が必要です。

1-1. 年賀状

年賀状は送ることも受けることも避けるのも慣例です。年賀状のやりとりができないことを伝えるために、喪中はがきを出します。喪中はがきには「誰の喪中か」「喪中で年賀状の送付を控えること」を明記し、遅くとも12月15日までに到着するようにしましょう。
年賀状が届いた場合は受取拒否はせず、寒中見舞いとして返事を出します。その中で、喪中の知らせを怠った非礼をお詫びすると角が立ちません。
喪中はがきや寒中見舞い、または対面や電話で新年の挨拶をする際は、「おめでとう」という言葉は用いないようにします。「喪中なので新年の挨拶はできないけれど」と前置きして、「今年もよろしく」「昨年はお世話になりました」と言えば、相手も状況を理解してくれるはずです。

1-2. 正月飾り

正月飾りは1年を無事に過ごせたことに感謝すると同時に、新年のお祝いとして飾られるもの。喪中は避けるのが基本ですが、中には飾っても問題ないとされるものもあります。

●門松・しめ縄
正月飾りでまず思い浮かぶのは門松やしめ縄です。そもそも正月飾りは縁起の良いもの。お祝い事を自粛すべき喪中に正月飾りを行うのはふさわしくありません。

●鏡餅
もうひとつの代表的な正月飾りである鏡餅。喪中は控えるのが無難ですが、忌中(四十九日)明け後の喪中の場合、鏡餅を飾る家庭も珍しくありません。なぜなら、鏡餅には福を与えてくれる神様にお供えするという意味があり、不幸が訪れた家庭に福をもたらしてほしいという願いが込められているからです。

1-3. 年越しそば・おせち料理

年末年始ならではの食事である年越しそばやおせち料理は、喪中に食べてもよいのでしょうか。
ここでは、喪中におけるおせち料理、年越しそばの扱いを説明します。

●おせち料理
おせち料理の本来の意味は、季節の変わり目を祝って神様にお供えするための料理。近年は正月を祝う料理をさすようになりました。縁起が良いとされる食材や料理が盛りだくさんなので、お祝い事を慎む喪中は食べるのを控えた方がよいでしょう。
最近は、喪中の方に向けた「ふせち料理」というのも販売されています。縁起の良い食材をのぞいた精進料理がベースで、葬儀社や仕出し料理店で取り扱っています。

●年越しそば
「長寿や延命を願う」「縁が長く続くよう願う」「1年の苦労を切る」など、年越しそばの由来には諸説ありますが、いずれもお祝い料理の意味はありません。喪中に食べても問題ないでしょう。

1-4. 初詣

年明けの恒例行事である初詣。神様への挨拶は、果たしてお祝い事にあたるのでしょうか。
喪中の年は初詣を控える人が多いですが、厳密にいうと神社とお寺では見解が次のように異なります。

・ 神道では忌中の参拝は忌避されている
・ただし、喪中での参拝は問題ない場合も
・ お寺への参拝は喪中・忌中を問わず問題ない


神道では忌中の50日間、お参りはもちろん鳥居をくぐることも禁忌とされます。喪中の参拝は問題ないとされますが、神社によっては喪中も参拝を禁じているので神社の初詣には注意が必要です。
お寺には、死を穢れとする概念がなく、忌中・喪中に関わらずお参りしても問題ありません。初詣を考えている人は、お寺を訪れるとよいでしょう

1-5. お年玉

新しい年が始まったことを祝う意味で渡すお年玉。やはり喪中は控えた方が無難です。ただ、お年玉は子どもにとって正月の一番の楽しみですから、喪中が理由でもらえないとがっかりするでしょう。そこで、お年玉という名目ではなく、お小遣いや書籍代、文具代などとして渡すことをおすすめします。熨斗や「おめでとう」の文字が入ったぽち袋ではなく、無地や地味目の封筒に入れて渡します。
なお、凧あげや羽根つき、こま回しといった正月遊びは神事ではなく、子どもの健やかな成長を願うものですから、喪中でも例年通り楽しんで構いません。

1-6. お歳暮

自分が喪中の場合はもちろん、相手が喪中でもお歳暮の扱いに悩むのではないでしょうか。ここでは3つのパターンに分けてお歳暮の送り方を解説します。

●送り先が喪中の場合のマナー
お歳暮は日頃の感謝を込めて送るものなので、相手が喪中でも問題ありません。ただし、忌明け(四十九日)前は送らないのがマナーです。また、相手の喪中に送る場合は、熨斗に注意しましょう。紅白や水引のない白無地の熨斗か短冊を用います。

●送る自分が喪中の場合のマナー
自分が喪中の場合も、忌明け後に送るのが基本です。ただし、ここでも熨斗には注意が必要です。白無地の熨斗か白い短冊にお歳暮と書くようにしましょう。

●故人宛にお歳暮が届いた場合のマナー
故人宛のお歳暮は受け取っても問題ありません。先方の感謝の気持ちを汲み取って、ありがたく受け取りましょう。ただ、喪中と知らずに送ってきたとも考えられます。お礼を兼ねて、亡くなったことや仏前に供えることを伝えるようにしましょう。

2. キリスト教における喪中と正月・年末年始

仏教や神道とは異なり、キリスト教には、忌中や喪中といった概念は存在しません。なぜなら、キリスト教では死によって、神の元に召されると考えられているからです。忌まれることではないため逝去後の行事に対する禁止事項もなく、正月や年末年始も例年通り過ごして問題ないとされています。
では、キリスト教でない人のクリスマスの過ごし方は、どうなっているのでしょうか。以下で詳しく説明します。

2-1. 喪中におけるクリスマスの過ごし方

クリスマスは、イエス・キリストの降誕祭。キリストがこの世に生まれたことを祝う大きな行事ですが、日本にクリスマス文化が根付いたのは戦後以降です。まだまだ新しい風習なので、喪中の制約やマナーも設けられていません。喪中であっても、家族や友人が集まってパーティーを開くのは問題ないでしょう。
ただし、騒ぎすぎるのはNGです。喪中であることを踏まえ、良識のある行動をするよう心がけましょう。

まとめ

喪中における正月やクリスマスなど、年末年始の過ごし方をまとめました。
喪中に関する捉え方は、家族や親族の考え、宗教や地域の風習などによって異なります。悩んだり迷ったりしたら、年長者や経験者に相談してみるとよいでしょう。また、喪中は故人に哀悼の意を表する期間です。故人を安心させるためにも、節度のある言動を心がけましょう。
 
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