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基礎知識2021年08月09日

喪中とは? 期間中のマナーとハガキの送り方を解説

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喪中とは、亡くなった方の死を悼んで、喪に服す期間のこと。喪中期間中には控えるべきことがあったり、喪中ハガキを用意するなど、さまざまなしきたりがあります。この記事では喪中のマナーや忌中との違い、喪中ハガキの送り方などを解説します。

1.喪中の意味とは?

喪中とは、亡くなった方の死を悼んで、喪に服す期間のことです。期間中は、心静かに故人を弔うために催事やお祝い事を避けるべしとされています。

1-1. 喪中の期間と範囲

喪中の期間は故人との関係性によって異なります。
下記は故人目線から見た関係性ごとの、喪に服す期間です。

● 配偶者  ・・・12カ月~13カ月
● 父母   ・・・12カ月~13カ月
● 子    ・・・ 3カ月~12カ月
● きょうだい・・・ 3カ月~ 6カ月
● 祖父母  ・・・ 3カ月~6カ月

ご覧の通り、一親等(父母や子)と、二親等(きょうだいや祖父母)で喪中期間に違いがあります。また、甥や姪、伯父(叔父)や伯母(叔母)など、三親等以上の近親者は喪に服さなくても構いません。喪中の範囲は、二親等までとされているからです。
もっとも、喪中の期間や範囲はあくまでも社会通念上のものです。それゆえ、故人との別れを深く悼みたいときは一年以上喪に服すことや、親等が離れている人が喪中に入っても、なんら問題はありません。

1-2. 喪中と忌中の違い

喪中と混同されがちな言葉に「忌中」があります。
忌中とは穢れを外部に広めないために静かに過ごす期間です。死者を悼む期間である喪中とは、少し意味合いが異なります。また、期間にも両者で違いがあります。

● 忌中
忌中の発祥は神道とされます。神道では死を「穢れ」と考え、周囲に移さないように、自宅にこもる期間を設けました。
穢れを外部に広めないようにとの意味を持つため、忌中は喪中よりも厳格な配慮が求められます。忌中の期間は、神道では最大50日とされます。
一方、死を「誰にでも訪れる普遍のもの」と捉える仏教では、中陰法要(四十九日法要)までの期間が忌中に該当します。そのため仏教における忌明けまでの期間は49日となります。
● 喪中
喪中は故人を偲ぶ期間です。儒教の思想に基づいた風習とされ、哀悼の意を示すために慶事や贅沢を避け、静かな生活を心がけます。この期間は年賀状を含む年始のあいさつも避けるべきだとされています。
なお、喪中は儒教に基づいているため、仏教と神道で期間に違いはありません。

2. 喪中期間中の基本マナー

喪中期間には「控えるべきこと」と「行っても良いこと」があります。法律で定められた決まりごとではなく、あくまでもマナーとして重視されることなので、どの程度まで尊重するのかは各自の判断になります。自分や家族の価値観をもとに、喪中の適切な過ごし方を考えましょう。

2-1. 喪中に控えるべきこと

喪中期間中に控えるべきことは、主に慶事です。
特にお正月の過ごし方には注意が必要で、次のようなものが挙げられます。

●初詣
神社に「穢れ」を持ち込むとされるので、初詣は避けましょう。また、正月以外での参拝は、忌明けの場合なら構わないとされています。
●年賀状
喪中期間中は年賀状を出しても、もらってもいけないとされています。そのため、喪中ハガキを事前に出しておきましょう(詳しくは後述)。
会社や取引先の方の場合は、例年通り年賀状をやりとりしても問題ありません。「喪中は家の中での出来事」という考え方が理由です。
● おせち料理
おせち料理の海老や鯛、数の子、紅白かまぼこなど、お祝いを連想させる食べ物は避けるようにします。
●お正月の飾り付け
門松やしめ縄、鏡餅などを飾るのもNGです。
● お年玉
「お年玉」として渡すのは禁忌とされます。「お小遣い」や「書籍代」など名目を変えて、派手ではないポチ袋に入れて渡すようにしましょう。
お正月以外で、喪中期間中に控えるべきことは次の通りです。
● 旅行やレジャー
故人への哀悼を示すために、なるべくレジャーに出かけないようにしましょう。
● 結婚や、結婚式への列席
慶事の中でも特におめでたい場なので、出席は控えます。ただし、結婚する当人やその家族がどうしてもという場合であれば列席しても構わないとされます。その場合はもちろん、服装を控えめにするなど配慮しましょう。

2-2. 喪中に行っても良いこと

日本の行事やしきたりには、慶事なのかどうなのか判断に迷うものもあります。その中から、喪中でも行って良いとされていることを紹介します。

● お中元やお歳暮
お中元やお歳暮は、日頃の感謝のしるしとして贈るものです。お祝い事ではないので、贈っても構いません。
● 暑中見舞いや残暑見舞い
出したり、もらったりしても大丈夫です。暑中見舞いや残暑見舞いは、先様の健康を気遣うもので、お祝い事ではないからです。
●寺院へのお参り
神社は死を穢れと捉える神道ですが、寺院を司る仏教では、死を普遍のものと考え、穢れとは捉えません。そのため、喪中期間中にお参りをしてもマナー違反にはなりません。
● 葬儀への参列
喪中期間中に葬儀に参加することはマナー違反に当たりません。ただし、精進ぶるまいの席などでも、喪中の身であることを念頭に置いたふるまいを意識しましょう。

他にも、付き合い上で欠席が難しい集まりや宴席に参加しても、とがめられることはありません。ゴルフやスポーツ観戦など個人的な趣味活動も、近年は問題視されることもなくなりました。(むしろ家にこもっていると、「少しは気晴らししたほうがいい」と周囲から心配されるでしょう)
また、催事でも、例えば節分の豆まきは参加しても問題ないとされます。豆まきは邪気を追い払うもので、お祝いではないとの理由からです。このように、判断に迷ったときは「おめでとう」と言うものか、そうでないかを基準にするのも良いでしょう。

3. 喪中ハガキの送り方

喪中はがきとは、年始のあいさつを控えたいという意思を、前もって周囲に知らせるためのものです。先述の通り、喪中期間中は年賀状のやりとりを控える必要があるからです。そのため、喪中ハガキはいつ、誰に送るのかが重要になります。また、文章や使用するハガキ、切手などにもしきたりがあるので、合わせて解説します。

3-1. 喪中ハガキを送る範囲・時期

まず、喪中ハガキを送る範囲ですが、年賀状を出す相手と考えて大丈夫です。毎年やりとりをしている人に加えて、今年から新たに年賀状のやりとりが始まりそうな人のことを忘れないようにしましょう。
喪中であることをすでに知っている近親者はもちろん、仕事関係の人には喪中ハガキを出さなくても大丈夫です。また、「喪中は家の中でのこと」という考え方があるからです。年賀状を送ってくる美容院やショップなどがありますが、そういったところにも喪中ハガキを出す必要はありません。
喪中ハガキを送る時期は、11月の下旬か、遅くとも12月上旬にし、送り先の人が年賀状の準備をする前に到着するようにします。

3-2. 喪中ハガキを書くときの注意点

喪中ハガキを書く際は、次のような注意点があります。

● 漢数字を使用する
喪中ハガキの文章は縦書きで記します。そのため、数字は漢数字を用います。
● 文字は黒色を使用する
故人を悼む意味を込めて、文字は黒色に。装飾なども使わないようにします。
● 句読点は使用しない
喪中ハガキのほか、会葬礼状や訃報など、葬儀にまつわる文書には句読点(「。」や「、」)を用いません。理由には、文章を「区切る・終わらせる」ことが忌みにつながるというものや、昔の日本語の文章には句読点を使わなかったから、など諸説あります。
● ハガキや切手は弔事用を用意する
郵便局などで、喪中ハガキや弔事用の切手は販売されています。自作したり、一般的なハガキを使用しても構いませんが、受け取った人がひと目で喪中ハガキとわかるように、専用のものを使用するのが無難です。
● 私信や近況報告の記載は避ける
喪中ハガキはなるべく簡潔に、年始のあいさつができない非礼を詫びるだけにして、近況報告などは書かないようにします。時候の挨拶など、前文も省略します。

3-3. 喪中ハガキの例文

喪中ハガキで述べるのは、次の3つです。
1. 年賀欠礼のお詫び
2. 故人がいつ、何歳で亡くなったかなどの情報
3. 生前のお礼

場合によっては、「2」の故人に関する情報は省略しても構いません。
記載する内容が限られているので、文面はどうしても似たりよったりになりがちです。ただ、喪中ハガキはあくまでも、年始の挨拶を控えさせていただくことを伝えるためのものなので、文章の内容や表現などにこだわる必要はありません。

【喪中ハガキの例文】

喪中につき誠に勝手ながら
年末年始のご挨拶を差し控えさせていただきます

本年八月に 父 一郎は九十歳にて永眠いたしました
今年中に賜りましたご厚情に深く感謝申し上げると共に
今後とも変わりなきご厚誼を賜りますよう お願い申し上げます
厳寒のみぎり 皆様のご健勝をお祈りいたします

令和三年十一月
(住所)
(差出人 氏名)

まとめ

喪中の意味や期間、マナー、喪中ハガキについて解説しました。葬儀を終えてしばらくは、それまで通りに日々を過ごすことは難しいかもしれません。それでもいつか悲しみを乗り越え、前向きな気持ちを取り戻せるように、心静かな暮らしを推奨する「喪中」があるのではないでしょうか。
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