ここから本文です

いまさら聞けない...まごころ完結葬で学ぼう葬儀と法要の知識 葬儀、終活など様々な場面での解決策やマナーについて、知っておくべき情報をお届けします。

葬儀後2021年11月28日

喪中の範囲はどこまで? 続柄別の期間や喪中はがきも解説

画像

喪中にはさまざまな範囲があります。服喪期間やどこまでの親族が喪に服すべきなのか、忌引休暇の期間、喪中はがきが必要になる範囲など、続柄によって異なるものもあるので注意が必要です。本記事では、そんな喪中と範囲にまつわる疑問について解説します。

1. 喪中の範囲

喪中」とは、亡くなった親族を悼み喪に服す期間のこと。先祖供養や孝行を説く儒教思想が強く反映されていて、明治7年に施行された「太政官布告」では、親等による服喪期間が厳密に定められました。この法令は昭和22年に廃止となりますが、現代の仏事慣例に今でも影響を残しています。
では、具体的にどこまでの期間が喪中の範囲に含まれるのでしょうか。核家族化が進んだ現在は、逝去から一周忌までを喪中とするのが一般的です。
また、喪に服すべき親族の範囲は、故人との関係性によって異なります。故人からみて「2親等内の親族」が喪中の範囲といわれています。
続柄による親等は下記の表にまとめています。

親等続柄(本人との関係)
0親等 *親等なし配偶者
1親等 父母義父母、子ども
2親等 兄弟姉妹、兄弟姉妹の配偶者、祖父母、孫
義兄弟姉妹、義兄弟姉妹の配偶者、義祖父母
3親等 曾祖父母、伯叔父母、伯叔父母の配偶者、甥、姪
義曾祖父母、義伯叔父母、義伯叔父母の配偶者
*民法における親族の規定によると、配偶者は「親等なし」という位置づけで「0親等」は存在しません。便宜上「0親等」という呼称が使われています。

1-1. 続柄によって異なる喪中の期間

喪中の期間は、続柄が大きく関係しています。ただ、親等ごとの喪中期間を定めた「太政官布告」の廃止後は喪中に関する概念も変わりつつあり、現代では次の表のような基準が浸透しています。

続柄喪中期間
配偶者、父母、義父母12~13ヶ月
子ども3~12ヶ月
祖父母3~6ヶ月
兄弟姉妹1~6ヶ月
曾祖父母、伯叔父母定めなし

以上が一般的な認識ですが、血縁が薄くても普段の付き合いの程度により喪中期間は異なります。悲しみの大きさによって変化すると理解しておきましょう。

1-2. 自分と故人に関する親等の数え方

喪中の範囲は親等によって異なると説明してきましたが、そもそも親等とはなんでしょうか。親等とは親族関係の遠近を表す法的な単位です。数字が小さいほど関係は近く、大きくなるごとに遠い親族になります。親等を数えるポイントは「縦に数える」こと。本人を「0」と考えます。「横移動しない」「世代を飛ばせない」と覚えておきましょう。

また親族は、血族(自分と血縁のある親族)と姻族(配偶者の血族)にわかれていることを理解しておきましょう。

●血族の親等の数え方
血族の親等は本人を「0」として、親・子の世代を経るごとに1つ数字を足して数えます。
例えば本人の父母は、世代を1つ経るので1親等。同じく世代を1つ経る子も1親等です。兄弟姉妹はもっとも近い家族と考えられることから1親等と間違えられがちですが、本人から親で1つ、親から子で1つの世代を経るので2親等にあたります。

●姻族の親等の数え方
姻族の親等は、本人の配偶者を「0」と位置づけます。数え方は血族と同様、親・子の世代を経るごとに1つずつ数字が上がります。

2. 喪中と関係のある忌引休暇の範囲

忌引きのために職場や学校を休むことを忌引き休暇といいます。親族を亡くした場合には、通夜や葬儀の準備、参列、後片付けなどのために忌引き休暇を取得するのが通例です。
忌引き休暇の範囲や休暇の日数については、労働基準法による規定がなく、それぞれの企業に委ねられています。忌引き休暇を設けていない企業もありますが、だいたい3親等までが忌引き休暇の対象とされています。
また、忌引き休暇の日数は親等によって異なるケースが多く、近しい親族ほど長く設定されているのがほとんど。血族か姻族かによっても差異があります。

2-1. 忌引き休暇の申請方法

不幸は突然起こるので、忌引き休暇の申請が直前になるのは致し方ありません。ただ、急に休むと職場の人に少なからず迷惑がかかるのも事実。上司や同僚への負担を最小限にするために、できるだけ早く連絡し、可能な限り引き継ぎをしておきましょう。
以下で、一般的な企業における忌引き休暇の申請方法をご紹介します

・口頭や電話で直属の上司に伝える
・「故人との関係」「通夜・葬儀の日時」「休暇日数」「緊急連絡先」を記載した文書を送る
・訃報や会葬礼状、死亡診断書といった証明書類を提出する


忌引き休暇の範囲・日数は、就業規則などで確認しておくことをおすすめします。また、忌引き休暇明けには、職場の人に忘れず挨拶をしましょう。急に休んだことのお詫び、対応への感謝を伝えるのがマナーです。

3. 喪中はがきを出す範囲

喪中はがきが必要になる範囲は、基本的に前述した喪中の範囲と同じです。自分からみて2親等内の親族を亡くした際に、喪中はがきを送るのが妥当でしょう。ただし、どこまでが範囲かという厳密なルールはなく、同居をしていない、世帯が別といった場合は、2親等内でも喪中はがきを送らないという考え方もあります。反対に3親等だから送ってはいけないという決まりもありません。

3-1. 喪中はがきを送る相手・送る時期

喪中はがきを送る範囲であっても、誰に送ればよいか迷うことも多いでしょう。簡潔にいうと、例年年賀状を送っている相手です。すでに身内の不幸を知っている人には出さないという考え方もありますが、喪中はがきは故人の死を知らせるものではなく、年賀状欠礼の挨拶状です。マナー的には出しても問題ありません。では、どのような方々が対象になるのでしょう。以下で説明します。

・親戚
 年賀状のやり取りをしている方には喪中はがきを出すのがマナーです。

・通夜・葬儀の参列者
 文面の最後に、ご参列いただいたお礼を書き添えておくと好印象です。

・仕事の関係者
 公私をわける、仕事関係者に過剰な気遣いをさせないといった理由で、喪中でも年賀状を送付するケースもあります。仕事関係者でも付き合いの深い方には、喪中はがきを送ると良いでしょう。

・故人が年賀状をやりとりしていた相手
 生前に付き合いがあっても、故人が亡くなったことを知らない方もいます。そういう方には、訃報といった意味を含めて喪中はがきを送付します。

送る範囲だけでなく、送る時期も気になるところでしょう。喪中はがきを出す時期の目安は、故人が亡くなった年の11月から12月中旬までとされています。郵便局で年賀状の引き受けが開始する前には到着するようにしましょう。

3-2. 喪中はがきの書き方・例文

喪中はがきは形式に沿って書くのが一般的です。冒頭には、新年の挨拶を控えるという挨拶文を記載し、喪中である旨の説明、生前のお礼、結びの挨拶と続きます。時候の挨拶や拝啓や謹啓などの頭語は不要です。書き方の注意点は以下の通りです。

・おめでたい意味のある「年賀」ではなく「年始・年頭・新年」を使う
・行頭の文字は下げず、句読点を用いない
・差出人からみた続柄を記載する
・算用数字はNG。必ず漢数字で表記する
・縦書きにする


最後に、喪中ハガキの例文を紹介しますので、参考にしてください。


喪中につき年頭のご挨拶を
謹んでご遠慮申し上げます

本年○月に父○○ ○○が○歳にて永眠いたしました
生前賜りましたご温情に深謝いたしますと共に
明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます
なお向寒の折から皆様にはご自愛のほどお祈りいたします

 令和○年十一月    
郵便番号 住所
     差出人名

まとめ

喪中の範囲についてご理解いただけたでしょうか。ここで説明しているのは、あくまでも一般的な喪中の範囲です。親等にかかわらず、故人との関係性によってそれぞれの悲しみの度合いは違うのは当たり前。自分が納得できる方法で喪中期間を過ごしましょう。大切なのは、故人を悼む気持ちです。
資料請求無料 まごころ完結葬についてもっとよくわかる一冊
お問い合わせ24時間受付中 TEL:0120-211-200

一覧へ戻る