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いまさら聞けない...まごころ完結葬で学ぼう葬儀と法要の知識 葬儀、終活など様々な場面での解決策やマナーについて、知っておくべき情報をお届けします。

基礎知識2021年10月30日

献杯の正しいマナー|挨拶の例文も紹介

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葬儀や法要後に開かれる会食で、杯を捧げて故人に敬意を示すことを「献杯」といいます。その場の雰囲気を壊さず、故人や遺族に失礼のない立ち居振る舞いを行えるよう、献杯のマナーや注意点を知っておきましょう。ここでは、献杯の正しいマナーを解説します。

1. 献杯とは|行われるタイミング

「献杯」とは、弔事の後に実施される会食で、故人への敬意を示すため、お酒の入った杯を捧げる行為を指します。また「献杯」という発声は、葬儀や法事後の会食がスタートする際の合図としても用いられます。
似通った言葉に慶事で行う「乾杯」がありますが、献杯とはマナーが大きく異なることを覚えておきましょう。一番の違いは、声の大きさ。参加者全員で元気よく唱和する「乾杯」に比べ、「献杯」は、控えめな落ち着いたトーンで発声するのがマナーです。他にもさまざまな相違点がありますが、それらは第2章で説明します。
ここでは、献杯が行われるタイミングを詳しく紹介していきましょう。

1-1. 【葬儀後】精進落としの際

葬儀後の精進落としで献杯を行うタイミングは、会食が始まる直前です。
献杯に先立って、お位牌の前にお酒の入った杯を供えます。そして、すべての参加者が席に着いたのを見計らって、近くに座っている方々との飲み物を注ぎ合いましょう。ひと通り注ぎ終わったら、喪主から参加者に向けた謝辞があります。
続いて献杯の挨拶が始まります。挨拶の最後に、杯を持つように促されますので、「献杯」という発声に合わせて杯を掲げ、静かに復唱しましょう

1-2. 【法要後】お斎の際

献杯は、法要後のお斎の場でも行われます。ただ、一周忌法要など限られた一回のみで行われるものではなく、法要を執り行う都度、献杯を行うのが理想です。故人を偲ぶためにも、法要の際は欠かさず献杯を行いましょう。
精進落としと同様、お斎の場でも会食が始まる直前に献杯をするのが慣例です。

2. 献杯を行う場合のマナー

献杯の挨拶を任された人はもちろん、参加者にも守るべきマナーがあります。正しい献杯の行い方は以下の通りです。献杯を行う際は、ぜひ参考にしてください。

乾杯と同じ仕草を行わない
乾杯の時は、杯を高く掲げてグラスを打ち合わせ、大きな声で「乾杯」と唱和しますが、献杯で同じ行為をするのは不謹慎です。杯を飲み干した後の拍手もNG。注がれたものを一気に飲み干すのも正しくありません。杯を掲げるのは胸の高さ以下に留め、落ち着いた低めのトーンで「献杯」と静かに復唱するのが習わしです。

献杯が終わるまで料理・飲み物に手をつけない
挨拶最後の「献杯」という発声は、会食が始まる合図にもなっています。献杯の挨拶が終わり、挨拶をした人が席に戻るまで、料理や飲み物に手をつけるのは控えましょう。喪主や司式者に促されてから、箸をつけるのが賢明です。

飲み物に決まりはない
日本には古くから、神聖な儀式で日本酒を口にする習慣があります。献杯の際にも日本酒を注ぐのが一般的でした。ただ近年は、アルコールが苦手な方や車で来ている方に配慮して、飲み物の種類は問われなくなっています。遺族は、ジュースやノンアルコール飲料なども用意しておきましょう。飲み物を注ぐ前には、「アルコールでもよろしいですか?」などと、ひとこと声を掛けるのがマナーです。

3. 献杯で挨拶を行う場合の例文

献杯の挨拶は、故人の子どもやきょうだいといった近しい親族が行うのが一般的ですが、人選に決まりはありません。故人と親しかった友人にお願いすることも多いようです。
挨拶の時間は、1~2分程度が目安。手短に済ませるのがマナーです。
以下では、献杯の挨拶の例文をいくつかのパターンに分けてご紹介します。ご自身で例文をアレンジして、ご活用ください。

葬儀:子どもが献杯する場合
「(故人の氏名)の長男の○○です。本日はご多用のところ、葬儀にご参列いただきまして、誠にありがとうございました。皆様のお蔭で滞りなく、執り行うことができました。故人も今頃、安心していると思います。
突然の逝去に、まだ不安を感じているのが本音ではございますが、残された家族で力を合わせ、頑張っていく所存でございます。今後もご支援やご協力を賜りますよう、この場を借りてお願い申し上げます。
これよりは食事をしながら、皆様と故人の思い出話をうかがえればと存じます。それでは、献杯させていただきます。献杯。ありがとうございました。」

葬儀:友人が献杯する場合
「(故人の氏名)の友人の○○です。故人とは、学生時代からの友人で、共に釣りサークルに所属していました。卒業後も釣りという共通の趣味を通じて、しばしば親交を深めていたものです。大物を釣り上げ喜んでいた姿が、今もまだ目に浮かびます。突然の訃報は未だに受け入れがたく、また明日にでも釣りの誘いがありそうな気がしてなりません。
ご家族の皆様には、心よりお悔やみ申し上げます。どうかお気を強くお持ちくださいませ。
それでは、故人を偲び、献杯を行います。献杯。ありがとうございました。」

法要:子どもが献杯する場合
「(故人の氏名)の長女でございます。本日はお忙しいなか、お越しいただきまして、心より感謝申し上げます。お蔭さまで、無事□□忌法要を終えることができました。滞りなく執り行うことができ、また、親しかった皆様にお集まりいただき、きっと故人も喜んでいるでしょう。
ささやかではございますが、お食事をご用意いたしました。この席では、故人を偲びつつ、家族の知らない思い出話などをおうかがいいできればと存じます。
それでは皆様、献杯のご唱和をお願いいたします。献杯。ありがとうございました。」

法要:友人が献杯する場合
「(故人の氏名)の友人の○○です。この度は□□忌法要にお招きいただき、ありがとうございます。故人とは、△△株式会社に同期で入社して以来、公私ともに親しく、お互いが結婚してからは家族ぐるみのお付き合いをさせていただきました。新人だった頃に、仕事への情熱を熱く語り合ったことが、今も忘れられません。あれからももう□が経ったのですね。
これより皆様とは、故人を偲びながら、思い出を共有したいと考えております。
それでは、故人を偲んで、献杯いたします。献杯。ありがとうございました。」

3-1. 献杯の挨拶で避けたほうがよい言葉
献杯に限らず、弔事の場で避けるべき言葉を「忌み言葉」といいます。例えば、悪いことを連想させる言葉や、不幸が重なることをイメージさせる言葉がそれにあたります。以下では、献杯の挨拶にふさわしくない「忌み言葉」の例を挙げていますので、献杯のマナーとして覚えておきましょう。

繰り返し言葉
同じ言葉を繰り返すのは、不幸が重なることをイメージさせるのでNGです。

「重ね重ね」「ますます」「いよいよ」「たびたび」「返す返すも」
「みるみる」「くれぐれも」「だんだん」「次々」「時々」「近々」など

死を連想させる言葉
献杯を行う目的は、故人に敬意を示すことです。故人を偲ぶ意味でも、死を連想させる言葉や不吉な言葉は避けましょう。

「消える」「たいへん」「死ぬ」「追って」「とんでもない」「倒れる」
「失くす」「別れる」「終わる」「切れる」「破れる」「病気」「散る」など

宗派によって使えない言葉
忌み言葉は、同じ仏教でも宗派によって相違があります。代表的な例は、浄土真宗の「冥福」。浄土真宗には、冥土をさまようという概念がないためです。他にも「霊前」という言葉は使いません。
宗派に関係なく使える「追悼の意を表します」や「安らかな眠りをお祈りします」という挨拶を覚えておくと便利です

まとめ

この記事では、献杯の正しいマナーをまとめました。
参加する機会の少ない弔事でも、わからないまま放っておくのはNG。故人はもちろん、遺族にも不愉快な思いをさせかねません。
いざという時のために、しっかり覚えておくと安心です。
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